睡眠は私たちにとってなくてはならないものです。
しかし慌しい現代では5人にひとりが、睡眠不足を感じていると言われています。
睡眠のメカニズムを学んでみましょう。
睡眠のメカニズムは?眠ることが人にとって大切なこと
睡眠が私たちの生活にとって必要なことはわかります。
これを深く掘り下げてみて、睡眠を学んでみましょう。
睡眠とはどういうことはか?
わたしたちが体が疲れたと感じたときは早めに寝て疲れを取ったりしていますよね。
体の疲れを取るための睡眠は20パーセントで、あとの80パーセントは脳が休むための睡眠と言われています。
体の疲れは安静にしているだけでも回復しますが、脳の疲れは眠ることでしかとることができないのです。
すなわち睡眠は脳を休息させることなのです。
睡眠のメカニズム
睡眠に深く関わる体内時計と睡眠物質
人間の体の中にある体内時計が朝の目覚めから日中活動して、夜になると眠るという生体リズムを作っています。
本来、人間の体内時計は25時間だといわれていますが、朝に太陽の光を浴びると網膜が刺激されて体内時計がリセットされます。
これによって一日24時間の生体リズムに対応しているのです。
体内時計の狂いとして良く知られているのが時差ボケです。
もうひとつ睡眠に深く関わる睡眠物質は、脳の働きすぎでたまるホルモンの使いカスのような疲労物質の中のひとつです。
睡眠物質は起きている間に脳の中に蓄積され疲れた・眠たいと感じるようになり、熟睡により減少して無くなってくると目が覚めます。
ノンレム睡眠とレム睡眠
睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があります。
睡眠に入ると1時間ぐらいで深い眠りにはいりますが、この深い眠りのことをノンレム睡眠と言います。
深い眠り(ノンレム睡眠)から浅い眠りになるとまぶたの下の眼球が激しく動きだします。
これがレム睡眠です。
これらの2つの睡眠の組み合わせのことを睡眠周期と呼び、一晩に4回~5回繰り返しています。
- ノンレム睡眠の役割
- レム睡眠の役割
ノンレム睡眠は脳の睡眠と言われており脳はぐっすり休んでいる状態です。
いわゆる熟睡の状態です。
眠くてたまらないときに10分~20分眠るだけでもスッキリとするのは、このノンレム睡眠のはたらきによるものです。
レム睡眠は体の休息と言われています。
しかし、レム睡眠も脳に大きな役割を果たしています。
夢を見たり、記憶の整理や固定をするのはこのレム睡眠の時期です。
昼間見たり・聞いたり・触れた事を一時的な記憶ではなく長期的な記憶に固定する。
また、昼間の学習が多ければ、レム睡眠も増える事が確認されています。
新生児は睡眠の約半分がレム睡眠だと言われています。
成長ホルモン
成長ホルモンは運動後と睡眠中で分泌されます。
ノンレム睡眠のときに成長ホルモンの分泌量は最大となります。
成長ホルモンは脳の視床下部で作られ血液によって全身に運ばれます。
体の成長を促す役割や、水分を集める役割を持ちます。
成長ホルモンの分泌は13~17歳をピークに急速に低下します。
「寝る子は育つ」と言われるのは、成長ホルモンと大いに関係があるようです。
また、成長ホルモンは肌の再生や筋肉を作るのにも重要な役割を担っているので、女性やスポーツをする人にとっても睡眠はとても大切なのです。
睡眠不足になるとどうなるのか?
睡眠不足が続けば、意欲や感情、つかさどる前頭葉の働きが鈍り、記憶力にも障害があらわれます。また、睡眠時間が短いと食欲を促すホルモンが増加し肥満にもなりやすくなります。
高血圧と睡眠不足も関係があります。
一般的に睡眠を取れば心拍数が低下して睡眠中は血圧を下げることができるようです。
しかし睡眠時間の短い人は心拍数の24時間平均が高くなり、血管系への負担を高める原因となっているようです。
また夜間の血圧下降がないと、認知能力の低下をもたらす恐れもあるようです。
十分な睡眠を取らない青少年は、十分休息を取っている同世代よりも自殺願望および自殺の傾向が高くなる可能性があります。
日本の子供達の睡眠時間は世界で一番短いというデータもあるので、睡眠不足が子供たちにもたらす影響も深刻です。
睡眠障害について
睡眠障害の種類
- 内在因性睡眠障害
- 外在因性睡眠障害
- 概日リズム睡眠障害
体の中に原因がある、睡眠障害を言います。
睡眠途中で息が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群や感情が高まると急に眠ってしまうナルコレプシーや、精神的なストレスによるものも含まれます。
不眠症なども内在因性睡眠障害になります。
身体の外に原因がある睡眠障害を言います。
騒音や気候などの周りの環境や、カフェインを含む飲み物の過剰摂取などがあげられます。
外在因性睡眠障害は原因を取り除くことで改善することが容易です。
看護士や警備員、コンビにの店員などの交代勤務や不規則な生活などで、体内時計が狂ってしまうことが原因で起きるものです。
睡眠障害への対策
睡眠障害によって十分な睡眠がとれなくなると、集中力・記憶力・思考力が低下してしまい、さらに悪くなると情動が不安定になってしまうこともあります
「なかなか寝付けない」「夜中に目が覚めてしまう」など睡眠障害が見られるようならば、対策、不眠を解消する方法を見つけましょう。
ひどい場合は専門家に相談するようにしましょう。
自動車の運転での事故などを起こしてしまってからではもともこもありません。